前回の記事→【休学×逃げ】たまには逃げたっていいじゃない~「逃げ」も選択の1つ~
「単位足りへん」
パソコンのモニターの前でつぶやいた。
夜、研究室配属の要項を満たしているかチェックしていた時だった。
「留年」
この二文字が頭をよぎる。
ぼくの学部では卒論を書くために研究室に入る必要があるが、単位が足りない→卒論がかけない→卒業できない、と実質的に留年する。
研究室に入れないが研究室配属の説明会は義務的に行かないといけない。
教授の話が虚しく教室に響く。
仮配属なるものがあり、研究室には入れるが実質やることはあまりない。
だが、これが一つの転機だった。
仮配属先の先輩に
「どうするの?」と聞かれたので
「特には考えてないです」と言うと
「せっかく1年あるんだから、半年来て休学して、バイトなり留学なりやりたいことやってみたら?」と言われた。
「やりたいことかぁ‥‥」その時はただ漠然とそう思った。
ぼくは機械工学専攻だけど、将来は同時通訳になりたいと思っていた。
だけど今の英語力ではとてもなれないし、学部で卒業するとしてもあと1年では間に合わない。
大学院に進むのかも決めていなかった。
その次の日の学校からの帰りの電車で「留学ジャーナル主催・留学フェア」なる広告を見つけた。
「近くでやるみたいだし行ってみるか」
実際に話を聞いているうちにだんだんと興味が湧いてきた、これは思っていたよりもやりがいがありそうだ。
帰宅してさっそく親に相談、すんなりOKをもらえた。
というのもぼくは高一の時に母を亡くしており、保険金のおかげで金銭的な問題はなかった。
これは幸か不幸か、未だによく分からない。
不幸というにはあまりに身勝手だし、幸というにはあまりに親不孝な気もする。
父親は特に何も言わなかったが、おばあちゃんは少し心配していた。
ぼくはおばあちゃんっ子で、おばあちゃんの家から学校にも通っていたので、ぼくが半年もいなくなると考えればそりゃ心配されるはずだ。
留学するだけで英語力があがるとは思っていなかったし、今も思っていない。ボクシングジムに行くだけではプロボクサーになれないのと同じだ。
次回の記事→【休学×留年】やっぱり留年って経歴には傷‥‥だよね?

細川 優樹

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