こんにちは、イトウです!
こちら前回の記事→ http://kyukatsu.com/wataruito-4/
それでは続きを書いていこうと思います。
名古屋〜屋久島
刈谷PA内茂みに張ったテントの中で目を覚まし、ヒッチハイクを再開。
サミュエルと一緒に大阪へ行き、串カツを食べ、大阪城を見学した。
それから京都へ行って、伏見稲荷大社・清水寺・仁和寺・龍安寺・金閣寺あたりを虱潰しに回った。
サミュエルと出会って早三日。
どうやら彼、羽田空港に戻らないと行けないらしく、京都駅前の公園に張ったテントの中で再会を誓う(決してやましいことはしてないです笑)。
朝目を覚まし、マクドナルドで朝食を取って、彼と別れた。
一人旅がまた始まった。
それからの日々は、本当に早く過ぎ去っていった。
京都にいる友達の家に泊まらせてもらって、小説「夜は短し歩けよ乙女」聖地巡りをした。
広島・宮島で鹿にガイドブックを食われ、宮島SAでは寒空の中ブルブル震えながら野宿をして風邪を引いた。中々辛い。
それから、福岡・博多の屋台で知らないおじさんたちと酒を酌み交わし、鹿児島の直売所では黒豚のトンカツをたらふく食べた。
旅を始めて約二週間が経った時、私はフェリーの客室に横たわっていた。
夕方に港を離れた船は暗闇の中を進み、翌日の朝には屋久島へと着く予定だった。
久しぶりに暇な時間ができたから、色々な考えが頭の中を駆け巡る。
でも、それらを一つ一つ手に取り、確かめるにはあまりに疲れすぎていた。
そして、私は深いまどろみの中へと落ちて行った。
旅路の果てに・・・
屋久島には3日間滞在した。
一日一日の思い出はめちゃくちゃ濃かったのに、本当にあっという間だった。
屋久島にいる間、意識して人と連絡を取ろうとしなかった。
今までのこと、これからのことについてじっくり考える必要があるように思われたから。
とにかく、あの72時間はひたすら孤独だった。
東京のような都市空間に住んでいる限り、こうして本当の意味で一人になることはあまりない。
無駄なノイズや邪魔がないからこそ、静かな気持ちで自分と向き合うことができた。
フェリーの中、ゲストハウスの部屋の中、あるいは登山中、色々なことに思いを巡らせた。
まず最初に「俺は休学して、今なにをやっているんだろう?」と漠然と思った。
というのも、同級生が教室のイスに座って授業を受けている間、私は黙々と、日本の西の果てで山登りをしていたからだ。
少し前の自分には想像もつかなかった未来だった。
「休学をして良かったのか?」という疑問が何度も頭をよぎる。
登山なんて、学校を休んですることじゃあない。長期休みにだってできる。
私は一人、「休学」という自分の取った選択に後悔のようなものを感じ始めていた。
でも、不思議と不安はなかった。
なぜなら、今現在自分のやりたいことをやっていて、突然死んでも後悔はないとさえ思えたから。
少し前、先行きの見えない未来にどうしようもなく絶望していた自分は、すでにどこかに消え去っていた。
フィリピン留学やヒッチハイクを通して、強い自信を持った新しい自分がいることに、この時初めて気づいた。
「いや、休学して、自分と向き合った意味はここにあった。こうして成長できた自分がいるじゃあないか!」
その時だった。
登山を始めて4時間、シーズンオフなので周りに人の気配もなく深い山中をずっと登ってきた末に、いきなり視界が晴れてクリアになった!
目の前には、屋久島の雄大な自然がどこまでも広がっていた!!
この瞬間から、今までうじうじと考え込んでいた悩みがちっぽけに思えてきた。
過去にしがみついて悩む必要も、未来を不安がる必要もない。
今、自分がやりたいことをやって、「生きてる!」と心から思えるなら十分じゃないか。
そんな風に結論づいた。
「この道を選んで良かった」
素直にそう思った。
所要約2週間。こうして、私の西日本縦断ヒッチハイクは屋久島・太鼓岩の上で幕を閉じる。
翌日早朝、屋久島を出る私の目に映った空はどうしようもなく綺麗だった。
まとめ
途中から駆け足でしたが、これにて「西日本縦断ヒッチハイク編」はおしまいになります。
旅のリアルさや当時の心境を少しでも感じてもらえれば嬉しいです!
たった二週間の、誰にだってできるささいな旅。
「なにも休学することはなかったんじゃあないの?」と思われたかもしれませんね。
でも、少なくとも当時のぼくにとっては大きな、明確な意味がありました。
退屈な大学生活から逃げ出して、既存の人間関係やしがらみから距離を取って、一人孤独に旅をしたという点で。
ぼくは休活ブログでの活動を通して、なにも「休学しとけよ!マジでいいから!な!?」と強要するつもりはありません。
人それぞれ、違った思いや環境や価値観を抱えているからです。
けれど、人生はこれからも長く続きます。20歳そこらのぼくたちには想像もできないような道のりです。
だからこそ、道に迷った時は、少しくらい寄り道したっていい。なにも急ぐ必要はないんです。
立ち止まってじっくり考えてみるのもいいし、あえて今まで通ったことのない新しい道へ進んでみるのもいい。
他人からは意味がないように思えても、自分にとっては絶対に何らかの意味があるはずです。
この記事を読んでいるあなたは、きっと休学をしようか決めかねている、あるいは現状に不満があるのかもしれませんね。
ぼくが言えることは「今の自分が後悔しない道を選ぶべき」ということ、それだけです。
そこには過去もなければ未来もありません。
今の自分が満足できるような、心からワクワクできるような選択をしてあげてください。
きっとそれがベストなんだと思います。

伊藤渉

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