前回の記事→[就活が不安]|[休学]、[留学]を決意した大学生の背景
~フィリピン生活開始 1~2か月 (勉強期)~
就活が不安で、変わりたい。自信をつけたい。そんな気持ちを持ちつつフィリピンへ旅立ち、ついに待ち望んでいた英語の授業が始まった。
一日のスケジュールは、マンツーマンクラス2コマ グループクラス1コマという構成。(1コマ100分)
授業開始前、英語なんて勢いで話せば通じるから大丈夫 なんて緊張している自分に言い聞かせていた。
そんな中臨んだ初のマンツーマンクラス。先生は優しそうで、にこにこしながら僕を待っていた。
軽く自己紹介をして、授業に入った。内容は中学校で習うような文法だったが、先生の言ってることが、半分くらいしか理解ができなかった。何を聞かれても、とりあえず「Yes」とか「OK」って言って適当に相槌を打ったり、一緒に笑ってみたり。話せても、一言二言の文で返せるだけ。「もう一回教えて」とか、「ゆっくりお願い」とか言えば良かったものの、勇気が出ず、恥ずかしくて言えなかった。先生は僕が理解しているものだと思って、どんどん授業を進めていった。あっという間の100分間だった。先生も満足そうにクラスを後にした。
そして次は会話のクラス。文法のクラスとは違い、喋らなければ授業は進まない。ここでも僕は、簡単な質問に答えられるだけ。正直会話は成り立ってなかった。先生が僕のいったことに対して、何倍もの量を喋って、なんとか100分間授業が続いたという状態だった。正直英語を浴びるのがつらかった。最後の方はまだ終わらないのかな。なんて時計を見たりしていた。
続くグループクラスも同じように、なにもできずに終わった。
この初日は自分の英語のレベル、また自分という人間を再認識する日となったと思う。
僕は、もともと積極性のある方ではない。学校の授業でわからない点とかがあっても、直接聞けずに自分で調べたりして満足するタイプ。ましてやプレゼンとか、みんなの前で発言する時なんて、緊張して涙目になる。それが自分の弱点であって嫌なところで、変えたいと思っていた部分の一つであった。「フィリピンに来たら別人みたいに生まれ変わるんだ」なんて、強気だったが、その殻を破ることができなかった。今までの”吉川智也”という人を知る人は、誰もいない新しい地であったら、積極的にみんなの輪の中に入っていけるような、そんな人になれるんじゃないかって思っていた。
20年間凝り固まった自分というものを変えるのは思ったより難しい。
また日本とは違って、自分の思っていることが伝えられないことの辛さというのも、初めてここで味わった。質問に対して考え、言いたいことはあるのに、言葉がわからないため100%伝えられない。フラストレーションが溜まるばかり。
でも、こういう今までにない不自由な環境こそ、自分を見つめなおすチャンスになると思う。
自分の気の知れた友達から離れ、自分の知らない土地や人たちと関わっていくその過程で考えさせられることは多い。環境の変化は自分の心境の変化を生むと思う。ただどうやってそこから自分を変えるのか。
自分で行動して変えるしかない。
今自分がやらならければならないことは明白であった。
がむしゃらに英語を勉強すること。
自分を変えるための一歩として選んだのが、語学留学である。
英語が喋れるようになれば、自ずと自身がつくはず。
少しずつ焦らず変えていこう。
僕は学校が終わってから部屋に帰っては、高校時代以来の予習、復習を行った。わからないところがあれば、質問文を作って先生に質問した。そこをしっかり理解するまで、自分1人に時間を割いてくれるのは、このフィリピン留学のマンツーマンクラスの利点であると思う。
また、夕食後にあるTOEICの無料クラスに参加して、リスニングスキルをひたすら磨いた。
そのような地道な努力の繰り返しがあって、少しずつ先生とのコミュニケーションが滑らかにできるようになっていった。
英語を喋ることに楽しさをおぼえると同時に徐々に自分を出すことに抵抗がなくなっていった。
このままだと、ただ毎日勉強ばかりしてたように、とらえられてしまうのでここで訂正。
彼らは朝から夜まで、ほぼ一緒にいたメンバー。一緒の時期に語学学校に入った、いわゆるバッチメイト。
なんでかわかんないけど、すごく気が合って、すぐ仲良くなった。毎日楽しくてしょうがなかった。
週末必ず出かけては、自分たちの英語力を鍛えるために、みんなで店員とか現地人に話しかけたりした。時には朝方まで遊び過ぎて、一緒に寝坊して学校を休んだり。
僕にとって、
勉強と遊びのバランスをうまくとることが、モチベーションの維持につながった。
僕は、明確な目標も定めず、こっちに来て英語の勉強を始めていた。そこで、モチベーション維持のためメリハリのつけた生活を送ること に徹底した。学校ではしっかり学び、週末がくれば気晴らしに遊ぶ。また遊びながらも、積極的に英語を使って過ごす。ほんとにこれを継続して行うことができたのが、この1~2か月間の僕にとっての勉強期にあたると思う。








