私はタイで6週間、アジアゾウの保護のボランティアをしてきました。
この記事では海外ボランティアって具体的に何をしているのか活動紹介をします。
これから海外ボランティアを考えている人や、環境問題・野生動物保護に興味のある人に読んでもらいたいです。あと、地元の人と深く交流したい旅人にもおすすめ記事です!
イスラエルのボランティア派遣団体GVI経由でelephant conservation project に参加しました。一緒に活動する仲間は、ヨーロッパ各国・オーストラリア・アメリカ・カナダ・ブラジル・エクアドルなどから集まった多国籍なメンバー。現地の村人やゾウ使いとも協力して活動を行っています。
活動にはゾウ保護に直接かかわるものから、教育に関わるものまで様々な活動がありました。さっそく活動内容を紹介していきましょう。
エレファントハイキング
これがボランティアの活動の中で一番のメインです。
私たちが保護しているゾウたちは普段森の中でチェーンにつないでいます。(プロジェクトの最終目標は飼われていたゾウたちを森へ還すこと。しかし今はまだ時期ではないので。)このゾウたちを1日1回長めの散歩に連れて行き、食事をさせたり、水浴びをさせたりします。これがエレファントハイクです。私たちボランティアはゾウ使いと共に週3~5回ついていきます。ここで私たちはゾウの体に異変がないか健康チェックしたり、栄養バランスを整えるためフルーツなどの餌やりをします。また、毎回90分間ゾウの観察をし、行動の記録をします。これは主に本来群れで生活をするゾウたちの個々の関係を見るために行っています。5分ごとのゾウたちの距離、接触があった時の様子(誰が誰に鼻でタッチした、など)を記録し、データを残します。この間ゾウたちが何を食べているかなども記録します。
ゾウを間近で見れて、触れるチャンスもあって、自然の中でゾウたちの観察をできてとっても幸せな時間でした。また、みんなで森で食べるお昼ごはんも楽しみのひとつでした。
エンリッチメント
エレファントハイクのところでゾウたちは森につないでいると書きましたが、それは大人のゾウの場合です。仔ゾウは森で夜を過ごしたことがないので、安全のため村で過ごしています。(半年後村を訪れた時にはこの子達、もう森デビューしてました^0^)この仔ゾウたちは森で過ごすのに比べ、ストレスがたまりやすいので特別にエンリッチメントを行います。このエンリッチメントというのは簡単に言うとストレス解消してあげることです。狭い場所で過ごしているゾウたちは退屈でストレスがたまるので、餌をタイヤや、プラスチックのドラムに詰めて与えます。こうすることで仔ゾウたちは楽しみながら食事ができストレスの軽減につながるのです。これは毎日交代でやっていました。
バイオディバーシティハイキング
バイオディバーシティ(生物多様性)ハイクとは、村周辺にどんな生き物がいるか調査するハイキングです。5人ほどの班で調査地を一定速度で歩き、見つけた生物種を記録してゆきます。その場で同定(何の種類か見分けること)出来なかったものは写真をとり、特徴を記録し後で調べます。タイムキーパーとそれぞれ右上、左上、右下、左下どこを見るか役割分担して、それぞれの持ち場を観察します。
この昆虫を見たときは珍しくって感動! 学名:Diastocera wallichi tonkinensis
これはゾウの糞に集まる昆虫。
ナイトハイキング
これは主に夜行性の哺乳類を見つけるために行います。夜の森に慣れた村のハンターと一緒に少人数で行きます。少人数なのは出来るだけ生き物に見つからないようにするためです。森の中をライトで照らしながら歩き、反射する二つの光(これが哺乳類の目!)を探します。
これも楽しかった!!夜のハイキングってだけでわくわくします。ハンターはほんとにすごくって生き物気配を感じて私たちにどこに何がいるよと教えてくれます。
プレゼンテーション
スタッフ・インターン生がプレゼンしてくれます。内容は主に、ゾウについての知識、データの取り方やなぜ必要なのかなど活動についての知識などでした。
たとえば
・アジアゾウの基本的な特徴と生態
・バイオハイクのやり方と見つけた生き物の同定(何の種であるか明らかにすること)の仕方
・エンリッチメントの種類、効果
ボランティアに参加する前は、自分からかなり積極的に動かないと何も得れない!!と緊張感を持っていました。しかし、思ったより知識を得る機会を与えてもらったのでなかなかボランティアが充実したものになりました。
ここまでが主な活動内容です。ここにあげていないゾウの保護以外の活動もたくさんあります。小学校で英語を教えることもありました。他には、村で話されているカレン族の言葉を習ったり、竹かごの作り方を習ったり、料理教室があったり、この村の生活を体験できる機会がたくさんあり、旅行より何倍も濃い経験が出来ました。
さいごに
私がボランティアに参加したのは“世の中に役に立ちたい”とかよりも“経験を積みたい”という方が強かったです。「実際に野生動物の保護をしているところへ行って体験して学ぶ」というのが一番の目的でした。行く前はかなり積極的に動けないと何も得ることがなく帰ってきてしまうのではないかと、かなり心配していました。しかし、思っていたより私にとって環境は良く、知識を得る機会も多かったし、活動を通していろんなことを学ぶこともできました。常にこの活動は何のためにやるのか考えたり、気になったことを質問するようにしていたこともよかったのかもしれません。
振り返ってみると、本当にこのボランティアを通してたくさんの経験ができたし、何よりも向こうでの生活は楽しくて充実していて死ぬまで忘れられない大事な思い出になりました。
いかがでしたか?
動物保護のボランティアのイメージが何となく伝わったでしょうか?
もっと詳しく聞きたい方がいらっしゃいましたらfacebookやtwitterでお気軽になんでも聞いてください(^^)

橋本 果奈

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