休学経験者が当時の経験や考えを語る共同ブログ
『突破口』は、実は自ら打ち棄てようとした“大学”だった。
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前回の記事はこちらから⇒僕の旅を変えた男@インド

ひさしぶりの記事更新になります。
ここからは西アフリカ編となるのですが、西アフリカを旅した事自体というより西アフリカで考えた事を中心に書いていきます。
では、はじまり。

 

かつて暗黒大陸と呼ばれた“ここ”は、この現代において資本主義最後のフロンティアとして年々その注目度を増している。
僕が西アフリカに突入した2012年10月~2013年2月のアフリカは二つの大きな事件が起きた。
1つはマリ共和国北部をフランス軍が爆撃した事だ。
あれは丁度僕がマリを抜けてブルキナファソかガーナに辿り着いた頃の事だったと思う。
マリ国内の情勢は荒れに荒れた、一部のテロリストたちが観光資源や油田地域の密集する北部を占拠しようとしたのがきっかけだ。
当時、日本の外務省渡航情報によれば首都バマコを除く全区域がレッドゾーンに指定されてたが、僕はどうにか突破しようと情報をかき集めた。
というのは、シエラレオネからさらに南下してリベリア、そしてコートジボワールに抜けたとしてもガーナとの陸路国境が無期限封鎖されているためだった。
結果として、首都バマコからマリ南部のシーカソを経由してブルキナファソに無事入国できたわけだが。

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もう1つは、アルジェリアで日揮という会社の邦人社員がテロの襲撃に巻き込まれて死亡した事件だ。
その時は爆破テロが各地で起きていたナイジェリアに居て、いち早くカメルーンへ入る為に旅路を急いでる途中だった為、オンタイムでは知らなかった。
カメルーンに到着してからインターネットを通じてその事実を知った。
日揮という会社を恥ずかしながらそれまでは知らなかったのだが、天然ガスを扱っている会社であり、日本の生活を支える大企業であった。
僕がこれまでの日本の生活で何不自由なくお湯を沸かしカップ麺を食べて、そして風呂に入り、とできていたのはそういった方々のお陰だったのかとアフリカの渦中で痛烈に自覚したのを覚えている。
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僕はそれまでも、つまりアジアや中東、ヨーロッパを旅してきた過程で何度も思った。
「世界は許せない事で溢れている」と、行き場の無い私憤に駆られていた。
何かしたい、どうにかしたい、この許せない世界を変えてやりたい。
そんな気持ちを抱いていた事は確かだ。
世界の中でも最貧困と呼ばれる地域を訪れ、その怒りは頂点にまで達しているハズだった。
しかし心の中は常に穏やかではなかったのは事実だったとしても、内面で様々な感情が暴発し続けるその過程で1つの諦めと、1つの決意が芽生えていた。
つまり、先ほど書いた僕の青臭い私憤は私憤でしかなく、もっと言えば独り善がりなモノでしかないのだな、と思った事。
それは僕と彼らとの間の絶望的な隔てを、約4カ月半の間に嫌というほど味わってきたからであり、その隔てというのは何も単なる個人差ではなくその国の持つ歴史的文脈や部族ごとに違う文化や言語、そしてその上に立つ社会構造や経済状況など本当に複雑な因果関係の中で生きる個人と日本人としての僕との間にある「隔て」であり、本当に絶望的に感じたのだ。
その大きな溝が彼らと僕との間に横たわっているのを、その溝自体を認識しようともせずに、「どうにかしたい」などと喚くのは愚かな独り善がりでしかない。

 
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結局のところ、世の中の事をまともに知ろうとする姿勢や、勉学を行うという事をひたすら怠ってきた自分の無知さに立ち返らされることになったのだ。
そう僕は世界の歴史を、経済を、社会を、思想を、政治を、法律を全く知らなかった。
加えて言えば、きちんとした英語を使えなければ、フランス語は話せもしなかった。
-・・あんなつまらない大学なんて、辞める覚悟で旅に出てやる

そんな事を出発した時は思っていた、ちゃんちゃらおかしい話だった事に気付いた。
僕はとんでもなく浅はかな人間だった。
だからこそ、武蔵大学にきちんと復学することを決めた。
本当に、本当に、学ぶ事が必要なんだ、勉強するべきなんだという決意が湧き上がってきた。
海外をほんの少し見たからといって、その新鮮さや衝撃を単なるリアクションで済ませてしまうのは、それは僕にとってとんでもなく宝の持ち腐れに思えた。
旅に出る時にぼんやりと思い描いた

「突破口」

は、実は自ら打ち棄てようとした

“大学”

にあった。

それを見つけた事が西アフリカを冒険した結果の、次に繋がる最大の収穫であったように思う。

次の記事を読む→世界一周のクライマックス-南ア・喜望峰

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白井 耕平

白井 耕平

武蔵大学の人文学部2年。 アジア、アフリカが好きなヨーロッパ文化学科。 休学して世界一周していました。 旅関連の記事を発信していきます。 白井 耕平の詳細プロフィールページ
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