休学経験者が当時の経験や考えを語る共同ブログ
【イギリス留学編】全員国籍が違う7人のシェアハウス生活とそこからみえたこと
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前回は日本にいる3ヶ月間でTOEFL ibtを25点あげる方法(費用1~2万円)ということで英語勉強法について紹介しました。

今回はイギリス留学編です。特にもう一生経験することはないであろう全員国籍が違う7人のシェアハウス生活について、そして記事の最後には私がこの生活から感じた異国でのコミュニケーションのポイントについても書いていきます。

 

 

あわや日本人集団生活から多国籍シェアハウスへ

就職活動をしているとき【何をするかだけでなく、誰とするかもすごく大事】といわれたことがありますが、私の住まいも【誰と】を優先したことがこの留学が成功だと思える一番の要因でした。寮は通常は大学が所有するところに割り振られるのですが、私の場合そこではなく違う選択をしたので、まず多国籍シェアハウスに至るまでの経緯について説明します。

 

9月に大学から割り振られた私の住まいは日本人5人と数人の外国人とのシェアハウス。
当時日本人で固まることを極端に嫌がっていた私にとって日本人5人と共同生活というのはなかなか酷に思えました。正直どう頑張っても1年間英語だけでコミュニケーションを続けるには無理があるし刺激が足りないと思い、大学にも相談しましたが部屋の交換を希望するリストに名前を書いてあとは待つしかないとのこと。

 

どうしたものかと暗い気持ちでキャンパスを歩いていたのですが、そのときにたまたまAnaというPre-Sessional期間中(10月の授業開始に向けた1ヶ月の準備コース)に一度飲んだことがあるペルーの女性に会い、お互いの近況を話していると、

 

「Nicolasというコロンビア人がoff campus(キャンパス外の住まい)で家を借りようとしていて、あと1人ルームメイトを探していたから連絡とってみたら?」

 

という情報をくれました。これは!と思い、早速Nicolasに連絡をとってみるとこんなメッセージが。

“There is one room available. Now we are living 4 women from Venezuela, Chile, South Korea and Mongolia and 2 men from Nigeria and me Colombia. The house has 7 rooms, 2 toilets with shower, living room, dining room, big kitchen and a garden. The rent is 414 plus expenses. For the first time we had to pay 850 that is the deposit and the first month. If your are interested you can come and see the house. Nicolas”

 

面白そうだ!とびびっときました。

 

すぐに訪問して自分の部屋を確認し、他のルームメイトにも会い、1日考えた末に引越しを決めました。大学から寮を割り振られた1週間後、Anaに会った2日後のことでした。

 

立地や家賃でいえば前の家のほうがずっと好条件ですし家具も自分でそろえる必要があったので大変でしたが、【人】でみたときに圧倒的にここが魅力的でした(あくまで属性でみたときの話です)。というのも全員国籍が異なる大学院生で、専攻もIDSという開発学で有名な研究機関のコースから2人、あとは平和構築、言語学、社会開発などで、既に国連や外務省を始めとする社会人経験をほとんどのメンバーが持っていました。親には心配をかけましたが自分の直感に従ってよかったと思っています。

 

 

なんのための留学?

こうしてコロンビア、ナイジェリア、ベネズエラ、チリ、モンゴル、韓国、日本の男3人女4人の共同生活が始まりました。
年は私が一番下の20歳、上は30代半ばで平均して27,8歳あたりのコミュニティだったので、皆自立した大人で生活面でも困ることはほとんどなかったです(きれい好きな女性陣にときどきキッチンの使い方で注意を受けましたが)。また、皆忙しい大学院生ですが、オンオフの使い分けが上手(特にラテン系の人は)で、よくホームパーティをしたり、パブやバーに出かけたり、イギリス国内も一緒に旅行しました。冬の寒い時期には家にこもって一緒に映画鑑賞をしたりもしてました。孤独を感じやすい留学生活においてHouseではなくHomeがあると感じさせてくれたハウスメイトにはすごく感謝しています。

 

そんなふうに一緒に過ごしたなかで様々なことを感じましたが、一番大きかったのは彼らの持つ【ただの夢ではない、地に足が着いたモチベーション】に触れ、自分がイギリスに来た意味をあらためて考える機会を与えてもらったことかもしれません。実際のところ、留学のあとウガンダにいくことを決めたのも、彼らに刺激を受けた部分がありました。

 

どういうことかというと、まだ日本ほど経済的に豊かとは言えない国から来ている彼らにとってイギリス留学というのは「なんとなくかっこいいから、語学力を磨きたいから、多様な文化に触れて視野を広げたいから」とかそういうある種贅沢な動機ではなく、もっと先をみて自分がやりたいこと、取り組みたい問題があり、そのための通過点としてのイギリス留学という位置づけでした。

例えばNicolasが平和構築を専攻する背景にはコロンビアには未だにゲリラが存在していて、将来政治家を目指す彼にとっては非常に関心ある避けては通れないトピックでした。

またDaisyというモンゴル出身の子は言語教育について学んでいましたが、その背景にはロシアと中国という二つの大国に挟まれたモンゴルという彼女の国のポジションが関係していました。モンゴルの学校教育ではモンゴル文字ではなくキリル文字が使われ、1990年代からモンゴル文字が復活したものの、今は母国の言葉を話せない、理解できない人も多く、国のアイデンティティが失われかけているという危機意識がありました。そしてDaisyはこの分野で修士号をとったあとはアメリカで政治学を学びたいともいっていました。

この2人に共通しているのは、学問と自身のバックグラウンドが強く結びついていて、

【どこかの誰かの問題】を学んでいるのではなく【自分ごと、自分の人生と結びついている問題】を学びにきている

ということです。関心が目先の自分のベネフィット(語学力向上、異文化交流)だけでなく自分と結びついた外の問題にもきちんと向けられていて、そういう人達の言葉はたとえ流暢な英語ではなくとも非常に力強く、伝わってくるものがありました。

 

ここでもう一度自分を振り返ってみたとき、本当に自分は途上国の開発と環境の課題、もっといえばJICAや開発コンサルタント、エンジニアリング、商社といった職業に関わりたいと思っているのか、なんとなくきれいごとでいってるんじゃないか、もし本当に関わりたいならどのレベルで、どういうスタンスで関わりたいのか、その思いを現場にいって確認しておくべきだと思いました。

また、社会人になると日々の業務をこなすことに精一杯で理想と現実は違う、という話も聞きますが、働き始める前に少なくとも理想の部分、自分の仕事に対する原点の部分はもっておきたいと思うようになりました。そう思えたのは彼らのこの地に足のついたモチベーションに触れたことが大きかったです。

 

 

留学=裸の自分で勝負

最後にこうした異国の地で日常生活を送るなかで感じたコミュニケーションをとるうえで大事だと思ったことを3つほど挙げて今回は終わろうと思います(自分ができたというより必要だと感じたことです)。

1.被害妄想を捨てて、主体的に相手との距離間を探っていく

こちらがオープンマインドであれば“鏡の法則”で向こうもある程度は心を開いてくれます。勝手に「自分は日本人だから、アジア人だから距離をおかれてる」、とか思うと外に出るのが億劫になりますが、結局イギリス人はイギリス人、ラテン系の人はラテン系と固まりたがる(スペイン語があるので)のは当然で、さらに向こうも19、20歳の大学生だとこちらにどう接したらいいのかわからなかったりします。
なのでそこは自分からuncomfortable zoneに入る必要があります。話題として授業の内容、サッカーなどスポーツはありですし、あとは相手のバックグラウンド、国に興味をもって質問してみるのもおすすめです。自分も日本について何度か聞かれたことがありますが、案外うれしいものですし、愛国心は他国の方は日本人以上にはっきりと表現してくれるので話もしやすいと思います。

 

2.フットワーク軽く

最初のポイントとも関連しますが、留学生はこれまでの自分の肩書きやらネットワークを一度全部リセットしてくることになります。

自分はここではゼロの人脈なんだと認識して興味がある活動、場合によっては興味がなくても誘われたらとりあえず動いてみるというフットワークの軽さは本当に大事です。自分が冒頭に出たAnaと出会ったのもルームメイトに誘われた飲みについていったのがきっかけですし、開発学のイベントに参加したことから気の合う友人を見つけることもできました。ネットワークゼロなので最初1,2ヶ月はストレスもなかなか溜まりますが、裸の自分に出会えるのも留学の醍醐味だと思います。

3.日本料理の習得

日本料理、なかでも寿司とお好み焼きは全員にうけました。

Daisyは自分で寿司をつくってお弁当として大学に持っていっていましたし、難しそうな顔をすることも多いベネズエラ出身のNadiaからは子供のようなcuteな笑顔でお好み焼きをまたつくって、つくり方を教えて!とせがまれました。日本料理はコミュニケーションの入り口として最強のツールだと思います。

 

以上3点が私が感じた異国の地で留学生として生活をしていくポイントです。
ぜひみなさんの異国で生活する知恵、ポイントもあれば教えてほしいです。

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野村 卓矢

野村 卓矢

早稲田大学 人間科学部 4年。 休学1年間ではイギリスのサセックス大学で開発学を勉強し、6週間ウガンダのマイクロファイナンスプロジェクトにインターンしてました。 野村 卓矢の詳細プロフィールページ
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