公立の語学学校とは?
前回学校選びに関して記事を書きましたが、今回は公立の語学学校の情報をお伝えしようかと思います。一般的な語学留学、学校というと大学かプライベート(私立)の学校かとは思いますが、公立の語学学校(イングリッシュコース)もあります。コミッションが少ないのか、なかなか日本人に情報が届く事はありませんが、バンクーバーには公立の語学学校もいくつか存在します。授業料や先生の質など、それぞれの学校で特色が異なります。今回は実際に僕も通っていたBCITという学校のISEPコース(英語コース)を例に取って紹介します。(※ちなみに私も、私立ESLには通った事があります。ランガラなどもあると思いますが今回はBCITで説明します。)
BCITはBC州(バンクーバー)で一番就職率の良い学校と言われ、バンクーバーで非常に人気のある学校です。それと同時に、卒業する事が難しいとも言われます。その本科プログラムに進む為には、カナダの高校卒業程度の英語力が求められます。ISEPというプログラムは、基本的には本科を目指すが、必要な英語力を満たしていない生徒の為のコースになります。なので、どちらかと言うとアカデミック英語の力を養える学校です。
BCITの先生の質は?
まず、BCITのISEPコースのメリットに先生の質があります。ISEPコースの教師の質は全体的に、他のESLと比べると高いと思います。おそらく多くの先生がマスター(修士号)まで取得しています。実際私のクラスの先生は、エンディバラで修士号を取得していました。実際BC州自体も質の高い先生の確保に力を入れていて、ISEPコースの教師は、普通のESLの先生の3~4倍程度の時給と言われています。ただ注意しておいて頂きたいのが、前回も述べた様に先生の質にバラツキがあります。当然、全教師が良いとは限りません。
BCITの授業構成
次に授業構成です。カリキュラム構成はスピーキング、リーディング、ライティング、リスニングの4つからなります。総合や基礎みたいな名目の授業はありません。基本的には各授業2時間×3コマ一日の流れになります。一日約6時間です。当然曜日によって時間割りは異なります。スピーキングではプレゼンテーション、ディスカッション中心になります。リーディングでは、スキミングやスキャニングなどの勉強法を実践していく様な形でしょうか。ライティングでは、アカデミックな文章の書き方について学び、どんどん書いて行く様な形です。リスリングはディクテーションや、大学での講義の取り方なども勉強します。随分省略しているのとレベルによって変わるので、参考までに留めてください。この4つの構成で総合的に英語が学べる様なイメージでしょうか。
BCITはマテリアルに特徴あり
更に使用しているマテリアルにも特徴があります。基本的に1つの教科書を使う様な事はなく、1タームの授業マテリアルを色々なソースから選び、教師陣が作成します。大きく分けて、ビジネス、サイエンス、ソサエティ(一般教養)の3つのカテゴリについて学びます。時々問題を扱う事が多く、私が授業を受けていた時は、原子力発電や移民政策、カナダでの成功ビジネスモデルなどをマテリアルとして扱っていました。これらのマテリアルは、カナダに関するものが多く、カナダの社会についての教養がある程度深められると思います。
デメリット?
反対にデメリットとして上げられるのが、アジア系が圧倒的に多いという事です。バンクーバー自体アジア系は多いですが、ここのアジア人比率は、一般的なESLと比較すると、格段に高いです。というのも、中国の学生がBCITに進学するため、このコースを取る事が多いです。逆に言うと、中国人で私立ESLに行く人は滅多にいません。一応デメリットとして書きましたが、日本人比率は高くありません。私が在籍していた時は、25人のクラスに私を含め日本人は2名のみでした。多くが中国人ですが、カナダに来るくらいですから、お金持ちも多く、育ちがいいご令嬢様やご子息様も沢山いらっしゃいました。カナダでもう数年ビジネスをしている方や、もう既にカナダに移民している人、中国で自分の会社を持っている人など、そもそも英語ペラペラな子など、なかなか面白い生徒が集まっていました。私自身は、中国人や中国ビジネスに興味があったのでコース以上に沢山彼らの考えを学ばせていただいたのは、大きな収穫でした。アジア圏、特に中国に興味のある方はメリットになるかもしれませんね。
BCITへ行きたい人へ
BCITは、大学受験予備校の様な場所です。英語を勉強する上での沢山のテクニックや知識も教えてくれますが、当然沢山宿題も出ます。語学学校を楽しみたいという人よりは、しっかり勉強したいという人向きの学校になります。幸い私のクラスは非常に楽しいクラスで切磋琢磨もしていましたが、人によっては、本当につまらないクラスだったという人もいます。しかしながら、英語の伸びがいまいちな場合や、語学学校にいまいち納得できない人、真面目に勉強したい人には一考の価値ありかと思います。
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